「……来ちゃいますかねぇ?」

「…………諦めましょう」

「………やっぱり?」



代わる代わる、次々と。
保護者も生徒も卒業生も。

“エロ可愛いアリスを守る、悪そうな黒ウサギ”を見に来る。



これは謀られた事かも知れない、と友典が思った頃。

不意に視界を掠めた、金色の髪。





「ど…どどどうしましょう!」


来ました!
来ちゃいました!

ちょっ…ちょっと隠れ………!






「…くっつき過ぎ」

「きゃあっ」


いきなり背後の教室内から、ひそりと掛けられた、声。

廊下側にしか注意を払っていなかった雅は、文字通り飛び上がるように、友典にしがみついた。




「やっ……た…鷹野さ……なっ…なんでそっちから…!?」


「ベランダからなら、こっそり行けますよ、って女の子たちが」


にこり、と友典の肩に肘を掛けて、ずいぶんセクシーだね、と鷹野は。

雅の強調された胸元を、指先でつついた。