…翌朝の哲は、案の定。

深く眉間にシワを刻んだ状態で、苦しげに目を開けた。




「…………おはよう」

「……蜜……?」

「退いてくれると死ななくて済むんだけど」


「………あ…あぁ…ごめ……」



だるそうに、辛そうに、でも少し慌てて半身を起こした哲は、私を改めて見下ろして、固まった。




「……………」

「………」



元々、具合が悪くて寝ていた私の部屋着は、前ボタン。


そのボタンが、ない。

哲が、うまく外せなくて、いきなり左右に引きちぎったから。


ショートパンツは、かろうじて両脚は通っている。

何も隠してはくれていないけど。


そんな酔ってる時は嫌だと言ってるのに、力任せに引き下ろそうとして、わき腹に爪を引っ掛けた痕も、あるけれど。




「………うぁ……」


あられもない格好の私に、すっかり重なって寝ていた、と突然認識した哲は。

一気に真っ青になって、頭に激痛が走ったのか、わかりやすく頭を抱えた。