どうしたらいいのか、分からない。


哲は私の口の中へ、砂糖のついた指を突っ込んだ。

苦しくはない。
苦しくはない、けど。




「蜜…口ん中も、気持ちいい」



意味が、分からない。
全然意味が分からない。

これが、下卑た顔でニヤニヤしてるなら、わかる。

酔いどれが欲情したんだ、と推測できる。



だけど。



「蜜は…どこ触っても柔らかくて気持ちいい」


全部気持ちいい。

あんな…旋盤なんて仕事させて…ごめんね?

こんな柔らかいのに…あんな危ない仕事させて…毎日真っ黒にさせて……

休みも少ないし……俺だってキツい時あるのに…。



蜜、ごめんね?
騙すみたいに連れてきて…具合悪くさせてさ…。






口の中を、やわやわと探る哲は、もしかしたら。


ずっと、そんな気持ちを持っていたんだろうと、思った。