「……私も嫌だよ…」


なんなんだよ…。
起きたばかりだけど…なんだか疲れたよ…。




「……拭いたら?」

「…や、舐めて?」


布巾かタオル…と立ち上がりかけた私の腰を、訳の分からない事を言い出した哲は。

思い切り、なんじゃないかと思われる力で、引き寄せた。



「……な…に!」


ぐはっ、とお腹を圧迫された私は、哲の膝の中へと、バランスを崩したまま倒れ込む。

すっぽりとお尻が落ち、投げ出された足が、テーブルにぶつかって痛い。





「…なんで逃げんの?」

「…………」



酔っ払いの思考回路って、どうなってるんだろう。


私は、あまりお酒は飲めないから。
ちょっと楽しくはしゃいで寝るくらいしか経験したことは無……


………うん、無い無い。

無い、から。




一体、今、哲の思考がどんな感じなのか、想像も出来ない。