「え、真ちゃん作ったの?」

「おう」

「今?」

「静かに作るの、大変だったのョ?」


自慢気に、蜜の分はコレ、と、私の前に押し出してくれた、大きなお皿には。

形はやたら綺麗な、ちょっと焦げ目の強い、確かにハンバーグが、乗っている。

ハンバーグ、だけが乗っている。




「すごいね!ナツメグ、いい匂い」

「………ナツメグ?」

「え?」


……入れた、んでしょう?
ひと味もふた味も違うもんねぇ?

いい匂い、…だよね?




「蜜」


はい、オレンジジュース、と。
哲が差し出してくれたグラスを受け取って。

私は、呆れたように笑う哲を、見上げた。