帰り、何か買ってくるけど何が欲しい? と。
哲は、私の伏せる哲のベッドに腕を突いて。
小さな声で、訊いた。
「……たまご…と牛乳」
「ん」
他は? なんて。
哲はいつも優しいけれど。
私の具合が悪いと、こっちが申し訳なくなるくらい、優しく甘い声を掛けてくれる、けど。
「…早く帰って来るから」
「……大丈夫だよ、ちゃんと寝てるし」
そんな…見張りに帰って来なくても、動けないもん。
ちゃんと大人しく寝てるよ…。
「………」
「……行てらさい」
「………………行ってきます」
目を開けられない私の、頭痛。
哲は私の目尻に、唇を当ててから。
少し眠れ、と。
視界が眩しくないように、すっかり掛け布団で、顔を覆ってくれた。