あぁ……頭痛い…


「…こめかみと眼球から…湿布薬を注入したいです…」

「…怖ぇこと言うなよ…」




その日も私は微熱を出して。

吐くほどでは無いけれど、目は開けられない、といった程度の頭痛に、苛まれていた。



今日は、ライブなのに。
哲が、歌うのに。




「…留守番…やだ。しない」

私も行く。



「だめ。留守番」


「………しない」

「しなくねぇ」




……………やっぱり?



私は、目を閉じたまま、もぞりと身じろいで。

まぁ…本当はだいぶ諦めていた事実を、本格的に諦めた。



だって…目ぇ開かないんだもの。

テレビの音だって嫌なのに、ライブハウスの音に、耐えられる訳がない。