白い生クリームと。
コーヒー色の生クリーム。


鷹野は面白そうに、雅の手元を覗き込んでは、ちょこっと手を出しては叱られて。

ついに、じゃあこれ、お願いします、とボウルをひとつ、渡された。


カシャカシャと、音を立てて。

クリームの入ったガラスのボウル。

ひとつは雅の手で。
ひとつは、鷹野の手で。

カシャカシャ、カシャカシャと泡立てられる。





「雅ちゃん雅ちゃん!腕疲れた!」

「ど根性でお願いしま…す!」



笑い合う2人は、宇田川家の、子。
宇田川章介と、由紀の、里子。



ぴ、と雅の頬に飛んだクリーム。

よく見ていたものだ、と宇田川が呆れるほどに、すぐさまに。

身を屈めて、ぺろりと舐め取った鷹野の、楽しそうな、顔。


いまだ、それに対して、オロオロと目を泳がせて赤くなる雅の、顔。