「コーヒーのリキュール使ったので、友典さんも食べられると思うんですが………」


友典さん、最近甘いもの食べないですから…、なんて、初耳だ。
うちでは普通に食べていたように思うけれど。


……まさか…中学生じゃあるまいし…カッコつけてる…とか?


いや、今はそれどころではない。





「あの……書く文字は…それじゃなきゃいけないですか?」


「え」

「あ…ぃえ……ちょっと…恥ずかしい…というか」



すみませんすみません、そんながっかりした顔、しないでください、と、内心オロオロしながらも宇田川は。

何とか【LOVE由紀】だけは回避しようと、真剣に、頼み込むように、雅の顔を見つめた。






「………だからいいのに…」

「…そんな!」



ぷ、と頬を膨らませた雅は、明らかに、からかう色を濃く滲ませていて。

駄目ですか? と、上目遣いに真っ直ぐに、宇田川を見上げた。