泊まるところは、ちゃんとしたホテルだった。

こんな世間一般的な夏休みの今、ちゃんと部屋が取れているなんて、信じられない。

いつから予約していたのだろう。
まさか私達の予定も訊かないで、二部屋も取るわけ、ないよね?



「ん~?昨日だョ」

「え!?」

「や、キャンセル待ち」

「……えぇ?」



うわぁ…あんまり信じられない。
隣同士でツイン2部屋?


……嘘くさっ。




「蜜、俺を信じろ」

「なにカッコ良く言ってんの」



いいけど、さ。
なんか、高そうだけど部屋綺麗だし。

…1日9割で利息ついちゃうらしいから…帰ったらすぐ返済したいけど…銀行やってるかな。




「俺、哲とがいい」

「哲は駄目!」


哲と同室を堂々と希望した杉崎くんに、噛み付いた。


杉崎くんと哲を一緒に寝かせるなんて!!!

ピュアピュアな哲が!!!




「たまには離れて寝ないと、すぐ倦怠期来るよ」


もっともらしい事を言う杉崎くんは、あんたは真也と一緒でいいじゃん、と吐き捨てた。