「スネアの…ロール入れるやつ……ほら、連打の途切れない細かい音の」

あれ、どう練習したらいい?



「スティックあるの?」

「ない」


スティック無くてどうやって練習すんだよ…と、呆れた顔をした杉崎くんが。

じゃあ、今度スティック貸すから哲とウチ来たら?


なんて。
異例の優しさを見せたのは。

私に心を許したんじゃなくて、“哲と”って所が、重要なんだと思う。




「ひとりで行く」

「………」



…あ、ああッ!

間違えた!
間違えたよ哲!

違う!

ひとりで行くのは…杉崎くんに哲は貸さない的な………!!


そ…そんな睨まないで…




「…ひ…ひとりじゃ行かない」

「あとで反省会」

「…………はい」



杉崎くんは、後で真ちゃんと猛反省会。

私は哲と、反省会。



……一体何しに来たんだろう。