「……当たり前じゃん」

「ほんと!?」


良かった、今度、読み方教えて?
私、もしかしたらパーカッションに移るかも知れないの。

譜面がトランペットと違うから…全然わからなくて。




機嫌を取りたかった訳でも、ない。

ただ、多分、女の子よりもたちの悪い恋敵と、コミュニケーションを取ろうと思っただけだ。


杉崎くんは、気まずそうにだけれども、ほんの少しだけ、私を見た。



空気読んでよ?
ここで打ち解けたフリしとかないと、ね?



「…………」

「…ねぇ、スティックってどう持つの?」


「…それ、譜面以前の問題じゃないか」


呆れたように、杉崎くんは。
ようやく、少し笑う。




よし、意志疎通!!