その日も、杉崎くんは。
真ちゃんの後ろからだけれども、堂々と私の部屋を通過して、ベランダにいる私を、嫌そうに…冷たく……見た。
馬鹿にしたように、ゆっくりまばたきをしてから逸らされる視線。
……慣れたけど、さ。
…腹立つ……んだよねぇ。
「なに、急にどうした」
「はいはい、窓閉めて~」
火元確認~
窓確認~
電気確認~
エアコン切ったか~?
よし、蜜確保~
「………なに…ちょっ……」
いやあああッ!!!
デジャヴ!
チョー既視感!!!
前にもあったよこんな事!!!
真ちゃんに、ひょい、と担がれるようにして私は。
訳がわからないながら、私にシャツを掴まれた哲もろとも。
すぐ下に停めてあった、真ちゃんの、大きい方の車に、乗せられた。