「な…に…してんだ龍司!!!!!」



ガレージに突っ込む勢いで車を停めた凱司の声に、雅はびくん、と我に返ったかのように飛び上がった。




「お帰り凱司くん」


不思議なお嬢さんがいたから、一緒にさくらんぼ食べてるんだ。

君もどう?





「さくらんぼだぁ!?」

俺にはコイツが毒牙に掛かったようにしか見えねぇよ!!!



「おい!雅!なに呆けてんだ!!」

立て! と、放り上げる勢いで抱き上げた雅は、黙ったまま、凱司の首に、しがみついた。




「凱司くん、さくらんぼ好きじゃないか。だから持って来てあげたら、可愛い子がいたから」


よくしつけてあるね、家の中に入れてもらえなかったよ。

本人は簡単に出てきちゃったけどさ。