彼は、驚くほど早く、結ばれた軸を舌の上に、乗せていた。
「まだ凱司くんには負けないよ?」
「…え、凱司さんも出来るんですか?」
僅かに目を輝かせた雅を、ますます見つめる彼は。
「お嬢さんは…いつまで種を舐めてるのかな?」
と、雅の顎に、指を掛けた。
その、指と手のひらの熱さと動きに、ぱきりと動きを止めた雅は。
そんなわけない、と必死に思いつつも、一気に距離を詰めた彼の目を凝視したまま、口の中の種を転がすのを、やめた。
目、が。
雅を呑み込んで。
唇が、重なる。
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