「………………あっ」

「……………………」



比較的、体の大きな、男。

年の頃はどのくらいか。

50代とも…60代とも取れそうな、雰囲気だった。



どこか開いている箇所でも探す気だったのか、キョロキョロと辺りを見回した、その男と目が合って。

雅は慌てて、顔を引っ込めた。






「…………お嬢さん?」

「ひっ」



ガレージの、格子越し。

ドキドキと、顔を引っ込めて息を潜めていた雅の、すぐそば。





「凱司くんは、いるかな?」


「…………いいい…ません」



そうか、いないか……と落胆したような声に、雅はちらりと、男を見た。