「すみません、もう少し広くしますね」


「……いえ…それよりここを出ましょう!」




もぞもぞと雅が動く度に。

開いた胸元が、気になって仕方がない。


出会った頃に比べて、もしかしたら大幅に成長しているのかも知れない。

……バストだけ、が。





「え、ダメです!見つかっちゃいます!」


こんな格好、見せられないですよ…、なんて言う雅は。

どうして文化祭日程…知ってるんでしょうか、と。


とても、とてもアリスっぽく、手を胸の前で組んで。

友典を、見上げた。





凱司や鷹野一樹に見せられないと言う“こんな格好”。


そんな格好の雅と、こんな狭い場に閉じ込められた自分は、どうすればいいんだ、と。


友典は、上を塞ぐ吊り鉢の底を見上げた。