「ごめんね、起こした?」

「ううん…お帰りなさい」


どう?
頭痛いの、治った?

そっと、様子を見にきた、雅の部屋で。

鷹野は、大きな籠に生けたバラを、雅の机の上に、置いた。




「雅ちゃんにさ、何か綺麗な花でも上げようと思って寄ったらね、貰っちゃった」

ブラック…ティー?
って言ってたよ。

それから明日、赤ちゃん産まれるかも知れないって。




「え、…明日、ですか?」

「次に会うときは、お祝いしないとね」



雅の熱は、上がりはしていないけれど、それほど下がってもいなくて。

熱っぽい目で、鷹野の笑みに、微笑み返す。