山ほどの焼き鳥を買って。

何本も、余計に入れてくれたそれを手に提げて。


少年の貸してくれた、ナイキのTシャツ。


小止みになった空を見上げながら、雅は。

立て続けに来た着信の多さに、ひとり、笑った。



寂しい、なんて。
どうかしてた。

こんなに、心配してくれる人がいる。
それぞれが違う場にいて、それぞれが心配して、電話をくれる。



迎えに行きます、とか。

ああ、大丈夫そうだな、とか。

お願いですからひとりで出歩かないで下さいと…あれほど言っているのにどうしてあなたという人は!よりによって雷の鳴りそうな日に!

………とか。



夜は晴れるみたいだから、ベランダで空を見よう、…とか。