「ふぅん、彼氏、忙しいんだ」


紅茶を飲みながら、固くなっちゃうから、と焼き鳥を勧められて。

奥から出て来て加わった、中学生くらいの少年は、女性の一人息子だと紹介された。


祭りにはひとりで来たのかと訊かれたから。

雅は、素直に頷いた。



普通、彼氏と来るんじゃないの?と。

おおよそ、中学生男子とは思えない社交的な少年は、からかうように、そう言うもんだから。



何かイベントの日は、必ず居ない人なの、と。

もしかしたら、拗ねたような口調に、なったかも知れない。

思わず俯いてしまってから、雅は顔を上げて、仕方ないんだけどね、と。


誤魔化すように、紅茶を口に含んだ。