そんな事ない、と、わかってはいる。 わかってはいるけれど。 雅は、いつになく大きく込み上げた寂しさを払いのけようと、鷹野と凱司、友典に。 七夕のお祭りに、友達と行ってきます、とメールを打った。 大丈夫。 寂しくない。 ひとりで行けるし、ひとりで帰って来れる。 すぐに返って来た、鷹野一樹さんと落ち合う予定ですか、という友典の返信に。 はい、一緒ですから、お迎えは要りません、と。 嘘をついた。