紫苑Side

どのくらい時間がたっただろうか
気づけば時計は夜の1時を指していた
そろそろ帰ろうかな
席を立ち会計をしていた時だ

「おっ!久しぶりだなれい!」

オーナーが扉のとこにいる客に声をかけていた
私も何気なく振り向いた
あ、あのホストの男だ。
暗くてよく見えなかったけど
間違えない
ブルーのライトに照らされても目立つハニーブラウの髪の毛
肩に少しかかる襟足
へぇー、こいつもここに来るんだ
なんて思いながら帰ろうとしていた時だ

「奢るから飲むの付き合ってよ」

なんて、ホストから声をかけられた
奢ってくれるなら
もちろん飲むに決まってる

「わかったわ」

そう言ってまた席に着いた