母親の元恋人は
まだ母親を愛していた
私がいる前で
「やっぱさ、俺たちの子供の方がかわいいってぇ」
そういった
母親はなぜかそんな男に惹かれ始めていた
「そっかなぁ~でもぉ充分~結もかわいいじゃん~」
私の世話をせず
食事もろくに与えず
昼から浴びるようにお酒を飲む毎日になった
母親は私を捨て
男を選んだから
きっと邪魔だったのだろう
母親は私に暴力を奮うようになった
痛いし
辛かった
さらに辛いことは重なった
母親の元恋人までもが
私に暴力を奮うのだから
タバコを腕につけてきて
根性焼きのようにあとが残り
毎日殴られ蹴られ
死にかけだった
そして事件は起きた
母親と元恋人がケンカをした
元恋人は異常に怒り
ある日
家を燃やした
私は何度も落ちてくる火に
気絶し
死んだと思った
まだ小さかったけど
この小さく大きい世界に
―――――絶望した―――――