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その日の帰り、二菜はすこぶる機嫌が良かった。

ホームルームの不愉快な出来事など一瞬で忘れてしまった。



部活動が楽しい方向に進んだのである。


二菜は汗水流す運動部ではなく、
地味な作業を延々と続ける文芸部に所属している。



専ら絵が専門であり、原稿、ペン、インクにトーンと必要な物を持ち込み

ひたすらガリガリと音を立てつつペンを走らせる。



去年は下っ端ということもあり先輩の短編小説の挿し絵を描かせてもらったが

今回は違う。



何と、文章担当の一条翼(いちじょう つばさ)原作の短編小説をベースに

漫画を描くことが決まったのだ。