物思いにふけっていた時である。


突如、ドンドンと玄関のドアが乱暴に叩かれた。

続く管理人の声。



「大変だ大変だぁ!
八代さん、早く出てくれっ」



何をそんなに焦ってるんだろう。


翔悟が訝しげに思って玄関を開けると、

いつもはにこにこ顔で挨拶してくる老人の管理人は叫んだ。



「火事だぁ!!早く逃げるんだっ」





翔悟の人生は、この日から変わっていくことになる。