脇腹に回された、筋張っている両腕でぎゅうぎゅうに締め付けられ そのまま縋って泣き続ける。 人生で初めてのことに、二菜は息が止まるほど驚いた。 男の人の腕や身体は、こんなに強くて大きくて …温かいんだ。 振りほどくわけにもいかない。 いつか見た夢と重なる。 でもこれは願望じゃないぞ、と必死に内心否定するのだった。