「俺、彼女と高校の時から付き合ってて…ずっと夢を応援してくれてた」


「夢?」


「小説家。けど、どんだけ出版社に投稿しても完敗。

笑えるだろ?」



笑えない。

二菜は黙って八代の話を聞き続ける。



「結構粘ったけど駄目でさ。
そのまま教職就きながらしばらく諦めなかったんだけど」



萎えちゃったんだよねぇ、と八代は笑顔で言った。