「訂正します。 あたし、先生が苦手でした。 でもあたしを助けて、怒って泣いた先生を見たら…気になって仕方ないんです。 心配で〈放っておけない〉です。 だって先生はいつだって笑ってるから…」 八代は、ふぅんと再び頷いた。 上半身を起こし手招きする。 「お前、口硬い?」 「言うなと言うなら言いません」 じゃあ信じる、と笑いその笑顔のまま続けた。 「俺の彼女、二年前交通事故で死んだの」