帰ると八代は、二菜の母に夕飯はいらない旨を伝え 部屋に引っ込んでしまった。 「せっかくハンバーグつくったのにもったいないわねぇ。 二菜、食べ終わったら先生のご飯、部屋に運んでくれない? 少しでも食べるように声かけてよ」 世話焼きの母親の言葉に二菜は生返事をしながら、八代の言葉を反芻していた。 ───前…ちゃんと見て歩けよっ。 死にたいのか! 先生に、何があったんだろう。