彼がすごくがっかりした表情をするから 「私結婚してるのよ。 大勢ならともかく、二人は…ね」 と理由を話した。 しかし、それは後付けにすぎない。 本心は別にあった。 要は、心底千葉に興味が沸かなかったのだ。 三佳子は、千葉の同期の八代翔悟が気になっていた。 「…お前じゃないっつーの」 肩を落として去る千葉の背中に 三佳子は聞こえないようにボソッと呟いた。