蝉は相変わらず鳴き続けるが

俺のさっきまでの苛々は、いつの間にか消えていた。




俺の胸中を知らないまま、麻美は怒って出て行こうとする。




その背中に


「麻美!」


と声をかけて呼び止める。





「何!?」