麻美を穴が空くほど見つめると、さすがに恥ずかしくなったらしい。
「な、何とか言いなさいよ!」
なんて怒る。
こいつがここまで動揺してるのも珍しい。
「いや…びっくり」
「でしょうね」
「散々俺と二菜のこと夫婦だ何だってからかっておいて」
「でしょうね」
「まぁでも、思い当たる節がちらほら…」
「もう!
遠回しに言わないでさっさと答えてよっ」
自慢じゃないが、女の子に何度か告白されたことはある。
しかし、こんなに怒って告白する子は初めてだった。
驚きはあるが、
嫌な気持ちには全くならなかった。
ミーハーで、ズケズケ物事を言うこいつを憎めない理由が
何だか分かった気がした。