「…ごめん。
俺、好きな人いるんだ」
そう言うと、彼女は俯いて屋上を去った。
静かに溜め息をついていると
「あーあ。
今の子可愛かったのに」
後方から茶化すような声が聞こえ、俺は慌てて振り向いた。
にこにこと笑っているのは、同じ文芸部部員の三島麻美(みしま まみ)だ。
肩にかかるさらっとしたセミロングヘアが特徴の麻美は、若干ミーハーだが
何故か憎めない。
どうして憎めないのか、ちょっと真剣に考えてみたが
答えは出てこない。
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