「いつも思うけど、二菜って料理ほんとうまいよな」
「両親が仕事であまり家にいないので、仕方なくです」
「すげえよなあ。
俺なんてラーメンしか作れないよ」
「…カップ麺とか言わないでくださいよ」
「何言ってんだよ!
お湯を注ぐことだって充分料理だ」
つまりカップ麺じゃないか。
「ところで二菜、なんでさっきから声震えてんの?」
「そんなことないです」
「あるって」
「そんなこと、……っっ!?」
不意に、うなじに柔らかいものを押し付けられ二菜は声にならない悲鳴をあげた。
八代の唇が悪戯にさまよう。
「ちょっと先生、朝からやめてください」
「可愛い、二菜」
人の話を聞け!