不意に、八代は三佳子を見つめた。




「神谷先生」


「何?」





八代は周囲が校長の下手くそな歌を一生懸命聴いていることを確認すると

三佳子の方へ身を乗り出した。




「…お話があります」



声を潜めてそんなことを言う。



良い話?悪い話?


まさかあの子、チクったんじゃないでしょうね。





三佳子は不安を顔には出さず頷いた。