二菜の部屋のドアを遠慮がちにロックされたのは
ちょうど風呂に入ろうと思っていた時だった。



「但馬ー、ちょっといいか」



よくない。



二菜は無視を決め込んだ。

寝たと思って去ることを祈るばかりだ。




「寝てんのか?」


そうです、先生。
早く消えてください。


「おーい」


だから、寝てるんだってば。


「仕方ねぇか」



扉の向こうでため息と共に諦めたように呟かれる。


ホッと肩を緩めた途端



ガチャリ。




遠慮なくドアが開いた。