「いやー。
悩んでる時はいつでも来いって確かに言ってるんですけど
何か恋愛系の相談ばっかなんですよね」
「そりゃあ先生、経験豊富でしょ。
モテまくりのヤリま…何でもありません」
何か良からぬ単語を言いかけられた気がしないでもないが、
翔悟は気にしないことにした。
「恋愛相談もいいんですけど、進路希望とかもうちょい把握したいっつーか」
ボソリと言うと、千葉が目を丸くして翔悟を凝視していた。
「何すか?」
「八代先生、いつの間にそんなに生徒のことに熱心になったんですか?」
これまでがいい加減だったかのような物言いだ。
「いや、何となく今までは、要領よくできてたらそれで良いって感じの雰囲気だったんで
ちょっと意外です」
それは否めない。
もし俺が少し変われたのだとしたら、きっと
二菜のおかげだ。