「…先生何考えてるんですか?
教師のすることじゃないでしょ」
「あたしの専門は医者であって教育者じゃないもの。
子どものお手本になるようになんて言われなかったしね。
全部がただの暇つぶし」
仕事も、不倫も…?
「でもね、八代先生だけは暇つぶしじゃなかった」
尖った口調で神谷は二菜を睨んだ。
二菜も負けじと睨み返す。
「バカに見えて一途なとこも
屈託なく笑うとこも好きよ、
…本気で。
先生とうまくいけば、旦那との離婚も考えてるくらい」
何よそれ。
二菜はどんどん不愉快になっていく自分を感じた。
結婚してるくせに。
不倫してるくせに。
何純情ぶって先生に恋して…
やめてよ。
先生のこと、そんな目で見ないでよ。