「うちの高校に家庭訪問は存在しなかったはずですよね?
教え子の家に予告なしで突撃なんて、今時流行りませんよ」
「あっはっは。面白いなぁ、但馬は」
あ、こいつ笑いやがった畜生。
能天気に笑われ、ホームルーム時の怒りがよみがえる。
堪えろ自分大人になれ…と内心言い聞かせていると
「二菜、お帰り」
随分懐かしい顔がひょっこり現れた。
「じいちゃん!」
最後に会ったのは中3のお正月。
近くに住んでいるにも関わらず、ご無沙汰も良い所である。
とにかく久々に会った嬉しさで急々と靴を脱ごうとし、違和感に気がついた。
…ちょっと待て。
何故担任と祖父が家にいる。