嘘。夢見たい。 抱きしめた身体を離すと、二菜の開口一番はそれだった。 「嘘じゃねぇって。目の前の色男がその証拠だ!」 翔悟が二菜の頬に手を添えると 二菜は目を閉じて微笑んだ。 「…意味が分かりません」 閉じた目から涙が溢れるが、二菜は拭わず翔悟の手に自分の手を重ねる。 目の前の少女への愛おしさで翔悟の胸はいっぱいになった。 ───それと同時に、悪戯心が沸いてくる。