『…みんな
ごめん
私の…
私の考えが甘かった
ごめん』
頭をスッと下げれば
無言が返ってくる
誰も返してくれないんだ
数秒時間が経ち
今
目の前に男物の靴がある
肩をグイと掴まれて
起こされた私の眼前に
瞳に涙を溜め
鼻を真っ赤に染めた
若い衆
『宏太…』
童顔の彼は
この砦の中でよく可愛がれていた男
切なく締められた胸に彼の眼差しが入り込んでくる
暖かくて
凍らされかけた私の心をゆっくり溶かしてくれる
他の人も同じだった…
なぜ
こんなにも
暖かく接してくれるの?
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