血の海を掻き分ける

優は死んではいまいか
気になるのはその一点だった

もしここで彼女の死体が見つかりでもしようモノなら、俺は発狂するやも知れぬ


けれど
「優様っ」
「隊長っ」
「避難しましょうっ」

見つけた彼女の姿は
この有り様を見て
茫然とした様子だった


人狼族の長であるオーナッフが俺の姿をみとめ
優を抱えて走り去る