育ての親が動かないことが

冷たくなっていることが

辺りが血の海になっていることが

今まで過ごしていた日々が干からびたことが

可愛がってくれた人が呼吸していないことが

あの日の情景がまた起こされていることが

おばさんの指先が指した方向にある棚に手紙があることが

優へ
そう書かれていることが

最期が来ることを知っていたような手紙が
存在していることが

私に未来を託していることが