この原っぱは気持ちが良かった そよぎくる風の心地好さに幾度心を洗われたように思っただろうか 『帰ろう』 そう思い立つ迄にどれ程の時間を有しただろうか ゆっくりと立ち上がり、足の裏を地に付けた 彼の淡いラベンダーの薫りが今も漂っている 淡いのに、どこか自己主張が強い様だ 私は歩き出す 食糧を届けるために この地との別れを惜しむように 月を一瞥し優はその場を駆けて離れた