ぼーっとする頭で思いついたのは、あの紙のこと。 アドレスが書いてあったよね、たしか。 メールしろってことだよね? どちらにしろ、お礼言わなきゃいけない。 ポケットから、あまり使うことのないスマホを取り出した。 ー城咲ゼンくん。 私が卒業する小学校の前に通っていた小学校で、出会った同級生。 当時、苦手としていた男の子。 ロシアと日本のハーフで、何でもできる男の子。 どうして、そんな彼が今更…