ほどなくして、家に帰り着いた私。

暗い家に明かりを灯すこともなく、部屋へと向かった。

濡れた髪を乾かすため、タオルを取りに洗面所に行った。

暗い廊下はいくら慣れているとはいえ気味が悪かったので、手探りでスイッチを探して電気をつけた。

目がチカチカして、額を抑えながらもタオルを取りにいき、頭に被せた。


「…あ」


ー私、振られたのか。

突然の再会にびっくりして、頭の片隅に追いやられていたけれど…

未だに現実だとは思えず、涙が出ることもなかった。