暑い。
蝉の声がうるさい。
だるい。ベトベトする。
まだ始まってもないけど、帰りたい…。

例の無人駅の土地へ行くため、私は最寄りの駅で電車を待つ。

今日の格好は日焼け防止と可愛いからという理由で買った麦わら帽子。今流行っているという噂で買った、緑のパステルカラーで水玉模様が入ったワンピース。ウエストにはお腹の真ん中にリボンがくるようにした茶色のベルトをしている。

我ながら、可愛い!

こんなに可愛い格好をしているのですが、日差しは運が悪いことに私が立つホームへギラギラと輝いている。

「荷物重いし、暑いし。冷房が恋しい」

あまりのだるさに、独り言を呟く。
幸い周りにはほとんど人がいなかったため、変な目で見られることもなく、向かいのホームをぼーっと見ながら突っ立っている。

電車が来るまで、あと2分。
春とか秋とか過ごしやすい季節だったら、短かく感じる時間も今日は鬼のように長い。

恨むぞ、太陽。