―― 「山口さん!」 帰りのHRが終わると、篠田くんに声をかけられた。 それだけで心臓が大きく跳ねる。 鼓動は早まるし、息はしづらいし… そんなのもお構いなしに私の目の前に立つ篠田くん。 もう心臓はバックンバックンだ。 ……何でだろう。 心臓はつらいのに、安心するのは。 篠田くんが近くにいるのって、すごく安心する。 …パニックでそんなこと言ってられないけど。