―もう一つの物語― 「……あーあ。行っちゃったー」 目の前には、麻央が篠田の手を引いて走り去る光景。 彼、高畑 秋斗はケラケラと笑った。 すると隣から声がした。 「……行っちゃったけど……いいの?」 気まずそうな顔をする 麻央の友達の千里。 その千里に向かって笑った。