――― 「…………」 空中をぼーっと見つめる。 何も、考えられなかった。 『この、鈍感がっ…… 可愛すぎるよっ……!』 篠田くんの泣きそうな顔と 篠田くんのつらそうな声が まだ残っていて。 離された腕の虚しさがまだ残っていて。 何も、何も 考えられなかった。